About Race
125 宇井がロカテリを逆転してタイトルを得るには、なんとしても獲らなければならないこのレース。しかし予選からロカテリは絶好調。かたや宇井はマシンの不調から来る転倒で、タイムはそこそこ出ているものの不安だらけの状態。祈る気持ちでスタートを迎えた。飛び出したのはロカテリ。ああ、マズイ…と思う間もなく、ロカテリは宇井以下の後続をグングンと離しはじめる。オイラはビクトリーコーナーで観ていて、セカンドアンダーブリッジを抜けてくる間隔が毎周回広がってくるのにイラだちを覚えていた。そして13周目、ロカテリがアンダーブリッジから出てきたあと、数秒して続いてきたのはチェッキネルロ、アルサモラ、東…。宇井がいない!

その直後に実況の悲痛な叫び「宇井が90度コーナーで転倒〜〜!!」。生で観るレースは、熱さや喜びもテレビの数倍なら、受けるショックも数倍。ガーン。宇井は再スタートもかなわず、ノーポイントとなった。そしてそのままロカテリはトップでゴール、チャンピオン決定。またロカテリのマシンにトラブルでも…と考えたがそこまで都合よくドラマは展開しなかった。今年初めて、秋に開催される日本のグランプリ。クライマックスが日本で…と喜んでいたが、まさかチャンピオンを決められてしまうとは。これもドラマだね。来年こそ日本で日本人チャンプ決定だ〜!

250 予選タイムでは間にメランドリが入っているものの、レースはまさに大ちゃんと中野の一騎打ちになりそうな模様。そしてそれは、スタート直後からその通りの展開となった。スタートから抜け出た大ちゃんに、離れずついていく中野。2台はあっという間に後続から離れ、マッチレースとなった。しかし、追いかけっこではあるが、バトルではない。展開はほとんどいつも、ダウンヒルストレートでス〜っと大ちゃんが離れ、90度コーナー以降で中野が詰める。オイラたちの観ているスタンドからは、毎周そんな様子が見えていた。抜きつ抜かれつがないから、単調なレースかといえば、そうではない。毎周のように更新されるファステストラップ。少しでもミスった方が負け。目が離せない、異常なテンションの闘いだった。そして最終ラップ、中野がそのレースのファステストをたたき出す。しかしそれでも大ちゃんには届かなかった。大ちゃんの、まさに辛勝。ピットに戻った中野は崩れ落ち、ヘルメットも取らずにうなだれていた。ビジョンに映し出されるその様子に、このレースのテンションがうかがい知れた。

大ちゃんもスゴかったけど、中野も鳥肌モノのかっこよさだったと思う。ピットから「P2 OK」のサインが出た直後のファステストラップ。そしてゴール後の涙。このレースで中野ファンは1000人単位で増えたに違いない。チャンピオン、獲らせてやりたいな〜、と思った。(これを書いている時点ではもう最終戦も終わっているのだけど)

500 決勝の朝、「ノリックは風邪をひいていて熱があるらしい」との情報が。いきなり不安が広がる。今回は「Norick a go go!!」のメンバーと一緒に集まっての観戦なので、盛り上がりは必至。どうか熱いレースを…と祈った。

しかしスタートは、ベストな2列目スタートにもかかわらず、いつものロケットダッシュを見せることはなかった。こんなときに限ってタイミングが合わなかったらしい。そのかわり、タディ岡田がいいダッシュを見せて、上位についていく。ノリックはやや後方の集団にハマってしまった。いまひとつペースが上がらない。レースはロバーツがひとり抜け出し、ひとり旅に。2位争いはビアッジとロッシのバトルが熱い。そのうち、観客は1位そっちのけでそのバトルに注目していた。

タディは序盤で順位を落としはじめ、逆にノリックは徐々にペースが上がってきた。ハイライトは終盤、バロスをパスして、そのあとクリヴィーレもパスしていったシーン。局地的には超大盛り上がり。このシーンが見れただけでも、このレース見た甲斐があった、そう思ってしまった。2位争いのビアッジとロッシも、最終ラップの90度コーナーでラインをクロスさせて競る見せ場を作って、大いに盛り上げた。リザルトは少し残念だけど、十分面白いレースだったと思う。来年はマジにロッシが来る!ノリック負けるな〜!


■ After Finish・・・ ■


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