時計詐欺に気をつけよう!

聞いた話では、男とのやりとりは以下のような感じらしい。

(車の窓からいきなり)「和光の寺内と言うものだが、時計販売で余ったので、あげるよ。社長にばれるとうるさいので、見ず知らずのあなただが、よかったら使って!LIGAN製のペアウォッチで(パンフレットをおもむろに見せて)定価25万円するけど・・・。その代わり、飯代だけでもいいから、個人的にくれない?」と。
LIGAN Watches そのとき1万円札しかなかったため、「おつり、7千円くれる?」と云うと、「うなぎくらい食べさせてよ!」と。結局、5千円をおつりとして返された。その後、男はそのまま車で走り去った。やりとりは最初から最後まで車の中から。

暗いところで見るとちょっと高級そうに見えたという件のペアウォッチだったが、明るいところで見るとけっこう粗雑なつくりである。実際に見せてもらったが、高級時計と思えないくらい軽いし(笑)。

ちなみに和光というのはとんかつ屋の、ではなく銀座に実在する高級宝飾品の専門店である。だからその名前を出されたら「ああ、あの和光」と思うひとも多いのだろう。ブランド名の「LIGAN」だが、この名前をGoogleで検索してみると…出てくるのは「時計詐欺」のネタばかり。特に、「ザ掲示板」の事件・犯罪板にかなりの情報が寄せられている。都内の各地に出没していて、車に乗っているのはふたり組のときと今回のようにひとりだけのときがあるようだが、切り出しとか手口はどれもほぼ同じ。かなり前から被害が出ているらしい。要は古典的な手口らしいのだが、果たして組織的なものなのか、そのために「LIGANセット」を製造して流している業者でもいるのか…。興味がわくところである。

驚いたのは、会社に同じように帰り道声をかけられたひとが他にふたりもいたこと。そのうちひとりは同様に被害にもあっている。よほど語り口がウマイのか?しかし同じエリアでそんなに片っ端から声かけるなんて、あまり賢いやり方とも思えないよなあ…と考えながら会社から駅へ歩いていると、スーッと近づいてきた車が。しかも窓を開けながら。しかし、音楽を聴いていたので、気づくのが遅れた。あっと思って振り向いたときには、あきらめたように走り去ってしまった。せっかくの遭遇チャンスだったのに、クゥ〜と思って、バッグからデジカメを出してスタンバイしつつ、周辺にとどまってしばらくウロウロ。ちなみに、車はカムリあたりの2リッタークラスセダン。足立ナンバーというところまでは判別できた。結局再び現れることはなかったので、現場を後にした。

ひさびさに目の当たりにしたリアルな事件に、つい張り切ってレポートしてしまった。今後も動向に注目したい。
(おっ、なんか探偵ファイルみたいだぞ)